機会という考え方
期待値は、トレードで生き残るために欠かせないものだが、もうひとつ重要な要素がある。
それが、「 機会 」である。
機会とは、期待値を適用できる回数のことを言う。
高い期待値の売買ルールを開発しても、それを使ってトレードをする機会がなければ利益はない。
つまり・・・、
利益 = 期待値 × 機会 で決まる!
例えば、3人のトレーダーに機会の要素を加味すると・・・、
トレーダー A B C
勝率 (%) 67 70 70
平均利益 1000 614 604
平均損失 -500 -500 -500
ペイオフレシオ 2 1.2 1.2
期待値 (%) 100 56 55
機会(回/月) 3 10 20
利益 800 1320 5450
( トレード内訳 )
A 1000,1000,-500 = 3回
B 650,700,350,400,900,800,500,-500,-500,-500 = 10回
C 400,650,700,400,800,900,700,500,600,500,
550,400,700,650,-500,-500,-500,-500,-500,-500 = 20回
この3人のなかで優れたシステムはどれか・・・?
答えは、「 C 」 さん。
期待値だけでシステムを評価すると「 A 」さんが最も優れているシステムと言えるが、機会を加味することでその優位性はなくなる。
すなわち、
あなたの売買ルールには、機会の回数を考慮に入れる必要があるのです❗
トレードで利益をあげて生き残るためには、自分の売買ルールの期待値を知り、それを最大にしなければならない。
そのためには、勝率をあげる以上のことが必要となる。
期待値をあげる場合、勝率を犠牲にしてペイオフレシオ( 平均利益 / 平均損失 )を改善してもよい。また、その際は、機会を無視してはいけない。
hide0118hamatake.hatenablog.com
( 参考文献 )
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